すべて願いが込められる結納品

結婚前の結納の際に贈られる品物のことを「結納品」とよびます。
結納品の種類は、地域によってさまざまです。
これらの品物にはすべて願いが込められています。
「目録」とは、結納品の品名と数量が記載されている紙です。
そして「金宝包(きんぽうつづみ)」とは、結納金を包むものです。
金宝包は、地域によって小袖料や御帯料などと名称が異なります。
「勝男武士(かつおぶし)」とはかつお節のことで、男性を意味します。
かつお節は武家の保存食として常備されており、出陣する際に武運を祈り贈られていました。
「寿留女(するめ)」は女性の長寿と幸せを願うものです。
「子生婦(こんぶ)」は子宝に恵まれるように願いが込められ、子孫繁栄を祈願しています。
もともとも昆布は生命力と繁殖力が強いから用いられるようになりました。
「友白髪(ともしらが)」とは麻の糸で、夫婦がそろって白髪になるまで仲睦まじく、長寿で健康に暮らすことができるように願います。
「寿恵廣(すえひろ)」とは扇子のことで、純白の無地となっており末広がりを願います。
純白は純潔、純真無垢を意味しており、扇を広げると末広がりとなります。
「家内喜多留(やなぎたる)」は、酒樽で朱塗りとなっており、一家の幸せを願うものとなっています。
昨今では「酒料」として現金を包むことが多いです。
また地域によっては日本酒を用います。
「熨斗(のし)」はのしあわびとも呼ばれており、本来はあわびを使用していました。
あわびは不老長寿の象徴とされ、祝意が込められています。